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【医学書レビュー】先生、病棟で急変です!当直コールの対応、おまかせください!【初期研修開始時におすすめ!】
こんにちは、やぎ(@yagi_note01)です!今回は、初期研修開始にあたって特におすすめの一冊を紹介します。
ほとんどの初期研修医が読んでいるかと思うほどに有名な本として、『内科レジデントの鉄則』があります。
内科病棟管理・内科当直の際の考え方や具体的対応について非常にまとまっており、この本の中身を繰り返し学ぶことが初期研修を過ごす上でのポイントになるほどです。
研修で上級医から教えてもらったことなども、鉄則をみると書いてあることが多いです。
折に触れて読み返すごとに学びがある、まさに名著といって良いでしょう。
一方で、鉄則はきれいにまとまっているものの、もう少しだけわかりやすく症例を深堀りして解説してほしいと思うことがあります。
そんな時に、こちらの『先生、病棟で急変です!当直コールの対応、おまかせください!』が良いと思います。
聖路加の指導医に鉄則をマンツーマンで解説してもらえるような本です。
本書の特徴
本書はレジデントノート誌で好評だった連載を単行本化したものです。
各章では聖路加チーフレジデントと研修医1年目の先生が会話形式で当直を振り返りながら、病態の理解や初期対応のポイントを丁寧に説明しています。
目次をみればわかるとおり、扱っている内容はほぼ『内科レジデントの鉄則』とかぶっています。
同じ聖路加出身の先生が執筆されているので当然といえば当然です。
それでも特に研修開始したばかりの方には、こちらの『先生、病棟で急変です!当直コールの対応、おまかせください!』をおすすめします。
理由は、こちらの本のほうが具体的で実際の対応のイメージが湧きやすいからです。
各章では、病棟での当直コールにどう対応すればいいかを、緊急度別に分けて解説されています。
病棟にダッシュで向かうのか、歩いて向かうのか、具体的なスピード感まで含めてまとまっているので具体的なイメージが湧きやすいです。
また個人的に特に有用だと感じたのが、コールを受けてからの対応をまとめた【コール対応早見ガイド】です。
当直コールは不安や緊張を伴うものです。急変や救急患者の対応は、臨床経験が少ない研修医にとって難しい場面も多くあります。
時系列に沿って、具体的になにをしていけばよいのかが明確に示されているこの表は、研修医の強い味方になると思います。
具体的に何を考えて行動していけばよいのかは、はじめのころはまるでわかりませんでした。
この表のためだけでも買う価値があります。
おすすめの使い方
- まずは1週間程度でサクッと通読
- 当直でコールがあった際にすぐに【コール対応早見ガイド】をみれるようにまとめておく
- 当直対応後には、本書および内科レジデントの鉄則を併せて振り返る
本書は内科レジデントの鉄則をより具体的に解説しているような本です。
会話形式で読み進めやすいため、鉄則よりも通読に向いています。
そこでまずは、本書をサクッと通読してしまいましょう。
一度通読しておけば、当直コールがあった際にどう動けばスムーズなのかのイメージがつかめます。
また実際にコールがあった際には、【コール対応早見ガイド】をサッと見てから対応するとよいでしょう。
そのため、すぐに参照できるような形でメモしておくことをおすすめします。
自分は電子版を購入したので、画面のスクショをメモアプリに貼っておきました。
対応後には症例を振り返ることでより力がつきます。
本書はチーフレジデントと研修医が対応を振り返るという形式でまとまっているため、再度読み返すことで次回はよりスムーズに対応できるようになるでしょう。
また、箇条書きで端的にまとまっているという点で内科レジデントの鉄則のほうが振り返りに向いているかもしれません。
もしもこちらも持っているという場合には、鉄則も併せて振り返るとより良いと思います。
まとめ
- 内科レジデントの鉄則を、指導医に解説してもらっているような本
- 会話形式で具体的症例を振り返るため、通読に向く
- 特に、【コール対応早見ガイド】が有用!
- サッと通読しておくだけでも、当直コールへの不安がなくなる
この本が自分の研修開始した時にあれば、当時の悩みはかなり減ったと思います。
これから研修開始する人に特におすすめの一冊です。
あわせて、内科レジデントの鉄則も持っておくとより勉強になるでしょう。
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