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【書評】「ビギナーのための1ヵ月30Stepで学ぶCT診断入門」- 読影の第一歩を踏み出そう!

こんにちは!やぎです。
最近、ローテートで来てくれる初期研修医の先生方に画像診断のレクチャーをする機会が増えてきました。
そんな中で、「これは初期研修医の先生方にぜひ読んでほしい!」と心から思える教科書に出会いましたので、今回はその一冊「ビギナーのための1ヵ月30Stepで学ぶCT診断入門」を紹介したいと思います!


- 圧倒的な分かりやすさ: 専門用語が少なく、図やイラストが豊富で、CT初心者でも直感的に理解しやすい。
- 実践的なWeb連携学習: 実際のCT画像をスクロールしながら学べるWeb機能があり、読影スキルが効率的に身につく。
- 無理なく続けられる構成: 1日1ステップの構成で、1ヶ月でCT診断の基本を網羅でき、達成感を得やすい。
- 臨床現場ですぐ役立つ: 初期研修医が遭遇する主要疾患をカバーし、レポート記載例も掲載されているため実践的。
- 専門的な深掘りには不向き: あくまで入門書のため、より高度で詳細な専門知識は専門書で補う必要がある。
- 経験者には物足りない可能性: CT読影にある程度慣れている医師にとっては、内容が基礎的すぎると感じる場合がある。
「ビギナーのための1ヵ月30Stepで学ぶCT診断入門」とは? – 本書の概要と特長
この本「ビギナーのための1ヵ月30Stepで学ぶCT診断入門」は、CT診断の世界に足を踏み入れたばかりの方々にとって、非常に頼りになる一冊と言えるでしょう。
特に素晴らしいと感じたポイントは以下の3つです。
CT診断の基本が超分かりやすい!
CTの原理や基本的な読影の進め方など、基礎的な部分が非常に丁寧に解説されています。
私自身も読んでいて、「そうそう、ここが大事なんだよな」と頷くことばかりで、良い復習になりました。

30項目に凝縮された必要十分な情報量!
「あれもこれも」と情報を詰め込みすぎず、重要な30項目にテーマが絞られています。
それでいて、各項目で学ぶべきことはしっかりと網羅されているので、効率的に知識を得ることができます。
Web連携で実践的な学習が可能
Webサイト上で実際のCT画像をスクロールしながら学べます!
放射線科をローテートしないとなかなか経験できない「自分でスクロールしながらの読影」が自宅でも可能になるため、より実践的な学習ができます。
教科書の知識と実際の画像操作が同時に行えるので、臨床現場で役立つスキルが効率よく身につきます。
こんな人に読んでほしい!
この本は、特に以下のような方々におすすめしたいです!
初期研修医の皆さん
「当直でCTの読影依頼が来たけど、どこから見ればいいか分からない…」
「もっと自信を持ってCT画像を評価できるようになりたい!」
このような悩みを持つ初期研修医の先生方にとって、本書は理想的な入門書です。基本から所見の見方、実際のレポートの記載例も含めて簡潔に解説されています。
医学生の皆さん
「画像診断って難しそう…」と感じている医学生の皆さんにも、ぜひ手に取ってほしいです。
分かりやすい解説と豊富な図で、CT診断の面白さをきっと感じてもらえるはずです!
1ヶ月で無理なくマスター!
本書のタイトルにもある通り、30のステップで構成されているため、1日1ステップずつ進めれば、1ヶ月で無理なくCT診断の基礎をマスターできます。
特におすすめなのは、放射線科をローテートするタイミングで読むことです。
実際にCT画像に触れる機会が増える中でこの本を読めば、学んだ知識が臨床現場でどのように活きるのかをより深く理解できるでしょう。

もしかしたら、「この本を読んでからローテートに来てくれたら、教えることがなくなっちゃうかも」と思うほど、基本事項が網羅されています!
「当直が楽しみになったかも!?」筆者が感じたこの本の魅力
以前から放射線科をローテートしてくれる研修医の先生方には、口頭で色々なことを伝えてきましたが、「伝えたかったことのほぼ全てが、この本に載っている!」と驚きました。



もし私が初期研修医の頃にこの本に出会っていたら、もっとCT読影に自信が持てて、当直業務も少しは楽しみになっていたかもしれません。
実際に、この本を画像診断室の蔵書として導入してもらうよう申請したところ、研修医の先生方からも「分かりやすい!」「勉強になる!」と非常に評判が良いです。
やはり、良いものは誰にとっても良いのですね!
入門書だからこそ!より深く学ぶためのステップ
もちろん、この本はあくまで「ビギナーのための入門書」です。
そのため、より専門的な内容や詳細な知識については、成書(専門書)を参照する必要が出てくる場面もあるでしょう。



本文中でも、「より詳細は成書を参照してほしい」といった記述が散見されます。
しかし、なぜその画像所見が生じるのか、といった病態生理の概要や読影のポイントは、必要な分だけしっかりと解説されています。
ですから、「内容が薄くて物足りない…」と感じることは少ないはずです。
まずはこの本で全体像を掴み、興味を持った部分をさらに深掘りしていく、という学習スタイルが良いのではないでしょうか。
まとめ – CT診断の第一歩を踏み出すあなたへ
今回は、「ビギナーのための1ヵ月30Stepで学ぶCT診断入門」を紹介させていただきました。
CT診断をこれから学ぶ方、学び始めたばかりの方には、自信を持っておすすめできる一冊です。
この本をきっかけに、一人でも多くの先生方がCT診断への苦手意識を克服し、その面白さを感じていただけたら嬉しいです!
ちなみに、最近ではこの本以外にも、実際のCT画像のようにスライスを追って学習できる教材が増えてきています。
例えば、医学雑誌「臨床画像」で連載されている「読影のお作法−連続画像スライスで追う〇〇の診断−」というシリーズも、非常に実践的で勉強になります。



ぜひ、これらの教材も活用しながら、CT読影のスキルアップを目指してくださいね!


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