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【必読】初期研修の90日ルールについて知っておこう
こんにちは、やぎ(@yagi_note01)です!
今のローテがしんどくて休みたい…。
そもそも初期研修って何日休めるんだろう?
初期研修は、合計で90日休むことができますよ。
こんな会話、Twitterなどで目にしたことはありませんか?
この『初期研修は90日休める』という話は、俗に90日ルールなど呼ぶことがあります。
この記事では、この初期研修の90日ルールについて簡単にまとめます。
はじめに、ポイントをまとめます。
- 初期研修2年間での休止期間の上限は90日
- 90日には日曜祝日などの病院の休日は含まない
- 90日には産休・育休、病休、有給休暇などのすべての休みを含む
- 必修ローテは必ずまわる必要がある
以下でざっくりお話していきます。
初期研修の90日ルールについて
初期研修中に出産・結婚などのライフイベントがあるかたもいると思います。
また、常に環境の変化を伴うことから様々なストレス要因にさらされるため、精神的に不調になることもあるでしょう。
このような場合に備えて知っておくべきことが初期研修の90日ルールです。
端的に言うと、休んだ日が90日までなら遅れずに研修修了することができます。
研修中断の話もありますが、今回は中断せずに取れる休みの量について考えていきます。
詳しくみていきましょう。
まずはこちらの厚生労働省の通知で、修了基準を確認します。
(1) 臨床研修の修了基準
臨床研修を長期にわたり休止又は中止する場合の取扱いについて, 厚生労働省
ア 研修実施期間の評価
管理者は、研修医が研修期間の間に、以下に定める休止期間の上限を減じた日数以上の研修を実施しなければ修了と認めてはならないこと。
(ア ) 休止の理由
研修休止の理由として認めるものは、傷病、妊娠、出産、育児その他正当な理由(研修プログラムで定められた年次休暇を含む)であること。
(イ ) 必要履修期間等についての基準
研修期間を通じた休止期間の上限は90日(研修機関(施設)において定める休日は含めない。)とすること。
各研修分野に求められている必要履修期間を満たしていない場合は、休日・夜間の当直又は選択科目の期間の利用等により、あらかじめ定められた研修期間内に各研修分野の必要履修期間を満たすよう努めなければならないこと。
(ウ ) 休止期間の上限を超える場合の取扱い
研修期間終了時に当該研修医の研修休止期間が90日を超える場合には、未修了とするものであること。この場合、原則として引き続き同一の研修プログラムで研修を行い、90日を超えた日数分以上の日数の研修を行うこと。
また、必修科目で必要履修期間を満たしていない場合や選択必修科目のうち2つ以上の診療科を研修していない場合であっても未修了として取扱い、原則として引き続き同一の研修プログラムで当該研修医の研修を行い、不足する期間以上の期間の研修や必要な診療科における研修を行うこと。
(エ ) プログラム責任者の役割
プログラム責任者は、研修休止の理由の正当性を判定し、履修期間の把握を行わなければならないこと。研修医が修了基準を満たさなくなる恐れがある場合には、事前に研修管理委員会に報告・相談するなどして対策を講じ、当該研修医があらかじめ定められた研修期間内に研修を修了できるように努めなければならないこと。
長いのでざっくりポイントを抜き出すと、以下の4つ。
- 研修期間を通じた休止期間の上限は90日。これに研修機関(施設)において定める休日は含めない
- 休止の理由として認めるものは、傷病、妊娠、出産、育児その他正当な理由
- 休止期間が90日を超えると未修了。同じプログラムで90日を超えた日数分以上の日数の研修を行う
- 必修科目を満たさない場合も未修了
研修期間を通じた休止期間の上限は90日、研修機関(施設)において定める休日は含めない
『研修機関(施設)において定める休日は含めない』ため、この90日には日曜祝日などの病院で定める休日は含まれません。
あくまでカウントされるのは、平日のローテート研修を休んだ時になります。
祝日がなく週5日が勤務日という場合で計算して、18週間休むことができます。だいたい4〜5ヶ月は休むことができるということです。
極端な例ですが、仮に全く有給消費せずに研修を進めて行った場合は、2年目の11月末頃からすべて休止しても研修修了できます。
こうして考えると結構休んでも大丈夫ですね。
休止の理由として認めるものは、傷病、妊娠、出産、育児その他正当な理由
一方で、90日には産休・育休、有給休暇などのすべてが含まれますので、有給休暇を取得するたびに消費していくことになります。
とはいえ、2年間で有給が90日支給される病院はまずないので、使い切ることはあまりありません。
このルールが大事になるのは、産休や育休、精神的負担で研修を休止したい時になるかと思います。
産前休業6週間、産後休業8週間の計14週間を含めても90日には満たないので、「産休があっても研修修了できるように」ということのようです。
休止期間が90日を超えると未修了。同じプログラムで90日を超えた日数分以上の日数の研修を行う
90日以上休止した場合には、未修了となります。
この場合、同じ病院・同じプログラムで足りない分を研修することになります。
体調的に無理で『病院・プログラムを変えたい』という場合は、病院から臨床研修中断証を発行してもらいプログラムを変えることができます。
詳しくは厚労省のサイトを参照。
必修科目を満たさない場合も未修了
現行研修の必修科目は以下のもの。
- 外科(4週以上)
- 小児科(4週以上)
- 産婦人科(4週以上)
- 精神科(4週以上)
- 地域医療(4週以上)
- 内科(24週以上)
- 救急科(12週以上、4週まで麻酔科に振替え可能)
- 一般外来での研修(4週以上)
まとめ
最後にもう一度90日ルールのポイントをまとめます。
- 初期研修2年間での休止期間の上限は90日
- 90日には日曜祝日などの病院の休日は含まない
- 90日には産休・育休、病休、有給休暇などのすべての休みを含む
- 必修ローテは必ずまわる必要がある
初期研修は正直にいって、生きて終わらせることがなにより大切だと思います。
「休もうと思えば休めるんだ」という事実を知っていることが、自分の心身を守ることにつながります。
これから研修にはいる方々は、無理せず、休める範囲でうまく休みながら充実した研修生活をおくっていただきたいです。
研修生活のメンタル維持におすすめな本を紹介します。
もともとは日経メディカルで連載されていた記事がまとまって書籍になったものです。
『読むことそのものが、ストレス対処となる』という本です。
研修生活での『あるある』ストレスをうまく処理する方法をわかりやすく、愉快に伝えてくれます。
研修生活に入る前にサラッと読んでおくといいかなと思います。
研修初日にすべき、たった一つのこともこの本から学べます。
この記事がお役に立てれば幸いです。では!
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